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標本のお直し

自己採集品の再展足をしました。

これが再展足前。
DSCN0038[1]
気に入らないのは、アゴの開き具合。

カラッカラに乾燥していたので、まず煮ました。
これでアゴが動けば儲けものと思いましたが、ゴムってしまっていて動かず。
強引にやると破損するので、しっかり濡れてるうえで筋肉破壊をすることに。
頭部を外し、ピンセットを差し込みアゴの筋肉をクリクリ。
DSCN0193[1]
無事にアゴが動くようになりました。
ムリだけは厳禁。

ついでにボディー側も再展足。
DSCN0194[1]
大人しめにしました。
合体しないと出来栄えは分かりません。
一回アセトン抜きした標本で、符節も修理してますので
今回の修正で最後にします。


今日、蛹化した個体。
DSCN0195[1]

明日辺りに7番36.0gが蛹化する感じがします。

そして25番38.0gの羽化も近いです。
ダメそうな感じがするサナギですが、何とか無事に羽化してほしいですね。
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酢エチ追記 久留米来期構想の動向

昨日、採集したオオルリを酢エチ行きにしました。

さて絞めですが、いつだか紹介しましたが
一番手っ取り早いのは酢エチで、亜硫酸ガスとか青酸カリとかやばいのを使うこともあるそうです。

ウチは酢エチを使いますが
酢エチもいくつかの入手方法があり
試薬、工業用、そして最も簡単に手に入るリムーバー(マニキュア除光液)とあります。

DSCN0070_20131122233510d8b.jpg
試薬は印鑑が必要らしいですね。
一部の薬局で売ってくれるらしいですが、最近はそういう話は聞きませんねえ。

工業用は六本脚で購入できますね。
メールに添付された書面をやり取りすれば購入出来た気がします。
1斗缶だと多いし扱いづらいので、4L缶。
使う際は大きめスポイトがあると便利です。

試薬と工業用はMSDSと呼ばれる取り説的なものがついてきます。
薬品の化学式だとか臭い・色、毒性の有無、皮膚や粘膜に触れた際の症状、火災時の対応などが書かれたヤツですね。


今回、オオルリを絞めるのに使ったのはリムーバー。
ルリ系は純度の高い酢エチ使うと分量が多い場合、交尾器官が飛び出たり
カッピカピの死体になってしまったりすることがあるので、純度が抑えられているリムーバーのほうが
扱いやすい感じがします。

絞め方はいたって簡単。
毒ビンを作って、虫を入れるだけです。
密封容器(今回はガラスポットを使ってますが、穴をあけてないブロー容器でも可)の中に
ティッシュ入れて、リムーバーをひたひたにならないくらいに入れるだけで完成。
DSCN0071.jpg
DSCN0072_201311222335149b0.jpg

たまに注射器使うの?って聞かれますが
ただでさえカッタイ甲虫でしかもチッサイ種類ですと間違って指を打ってお陀仏の危険性があるので
怖くて注射器は使えません(昔の標本キットは1剤、2剤からなる薬品と注射器がセットになって販売されてたようですが)

絞め時間は小型種ほど早く、大型種ほど遅いのが一般的。
そして、オオクワは生命力が高く、何度も使ったような薄い毒ビン使って締まっただろうと展足すると
蘇生してしまうことがあります。
周りの展足済み乾燥中の標本を破壊する危険性があるので確実に絞めましょう。



標本についてはこれくらいにして、悲しいお知らせ。

昨年マツノさんから補強し、今年の久留米の種親として使用した11年1番83mmが越冬管理に移行後
本日確認したところ死亡していました。
今年のブリードでは5番(MK11年10番♀53mm),6番(MK11年1番♀52mm),7番(MK11年3番♀53mm)
8番(shima11年8番♀53mm)と組み合わせ、特に5,7,8番からは多くの子孫を残し
来年のブリードでも種親として期待した個体でした。
名残惜しまれる個体でしたが、死んだ個体はしょうが無いです。

早くも代替案を考えてます。
補強も考えたのですが、♂の補強は既に再来年のブリを見据えてるので却下。
自前の虫の83mm台から選別することになりましたが
7番は84mm以上で3頭使うので却下、次に成績の良かった5番は形状が良くないので使わない。
オアシス通しでブリした自己ブリ4番83.0mm(マツノ10年9番81mm×waizu10年Aライン52mm)を代用する案が
濃厚ですね。
7番の53mm台♀と、早期羽化の♀をつける予定となります

後は3番53mm(マツノ10年9番81mm×マツノ10年19番52mm)を組み合わせの余力のある7番84.0mmにつける
可能性が高くなりました。
補強に頼りたかったところがありますが、なかなかマツノ直系でオアシスで育った個体は市場に出ないので……

質を落として数を打ちたくないのは変わりませんが
今回のなら現段階でギリギリ妥協できる代替案ですので
死亡したショックを挽回する反転攻勢策を練ってます。


さて、早期羽化♀についてはそこそこ明るくなってきました。
1番は1♀羽化してます。5番と7番はサナギ。
そしてオガマットに交換して蛹化促進させたビンの内、1番2頭、4番1頭、8番1頭が
新たに蛹室を作成しシワが入りました。
この時期なら何とか年内、遅くても年始には羽化してくれるはずなのでだいぶ明るくなりました。
気がかりなのが2番の苦戦ですね。
マツノ11年23番の血は早期で速く回したいのですがね~……

久々に標本作業

今日は久々に虫屋らしいことをしてます。

昨秋に採集して、展足・アセトン抜きした
ルリ系・ミヤマツヤハダをいつまでも乾燥しているわけにもいかないので
重い腰を上げました。

虫をセルロイド台紙にボンドでくっつけ
ラベルを印刷・カットして針に刺し、平均台で高さ整え
ドイツ箱に入れる……迄の作業を午前中にやりました。

小さい虫なので、慎重な作業です。
ホソツヤルリ♀の触角を吹っ飛ばしてしまいました。


とりあえずは、小さい虫の標本化はひと段落。
あとは大きい虫ですね……

何とか、ブリードシーズンイン前には終わらせたいですが
モチベーション次第です。

標本もたくさん作りました

今年はたくさん標本を作りました。

自己ブリのオオクワ、採集品のルリ系、ツヤハダ、ヒラタにミヤマ、アカアシ、スジ……
コクワなんか展足が追いつかず、タトゥに入れっぱなしなってるのもいますね。

しかし、標本を作っていて一番楽しいのはオオクワ。

ミンダナオパリーとかクルビssp.なんかも見栄えが良いのでカッコいいのですが
オオクワも80mmを超えてきますと……


コレはと思ったのは、メルリンさんの10年の2番。
83mm(83.7mmほどありますね)。

DSCN99999.jpg

うちの1番と2番の種親♂ですね。
この個体は86.1mmがでたメルリンさんの09年10番の種親である
07年1番83.8mmを10年にも使いまして出てきた仔ですね。
同腹で39.3gなんてのもでたようです。
大顎の先端がうねるように前を向くのがカッコいい。
この型で85mmを出したいものです。

2012年種親の標本化

本日、2012年久留米種親♂を展足しました。

展足したのは
1・2番種親♂83mm(メルリン10-2)
3・4番種親♂81mm(マツノ10-9)
5・6番種親♂82mm(フォレスターP.8152)
10番種親♂80mm(銚子オオクワ倶楽部10-15)
の4個体。

7番種親♂81mm(マツノ10-11)と8番種親♂80mm(メルリン10-8)、
9番種親♂80mm(フォレスターP.8251)の3個体は既に死亡してしまっている為、標本化できず。


今回、展足した個体達はいずれも種親としては見込んで入手したものなので
2013年ブリードにも使えるかもと思っていたが
来年用の種親♂は揃ったので標本化に踏み切りました。

いずれの個体も綺麗に展足完了です。
後は乾燥したら、アセトン抜きしてドイツ箱に入れれば
末永く保管できることでしょう。


後日、♀の標本化も進めていこうと思っています。

標本の展足覚書

今回は自分の展足手順を書きます。

前に書こうとしたときはコクワの展足でやろうとしましたが
デジカメのマクロが追いつけず諦めました。
しかし、ここ最近は少し大きい虫の展足をしており
自分のデジカメでも何とかマシな撮影ができるようになったのでようやく手順を書けます。

で、今回展足される虫はインドグラン。50mmはある個体です。
本当は♂で紹介するのがメジャーな気がしますが、♀は触角と前脚が交差しない為
見やすい紹介ができるので♀で紹介します。
なお、うちでは♂も♀と同様の手順・針の打ち方をします。

では、まず発泡スチロールに溝を掘ります。
DSCN0061.jpg
BE-KUWAの標本記事参照でカッターで掘ります。
別に何のこともありませんが、浅いと安定しません。

溝に虫を置きます。
DSCN0062.jpg
サイズが適合していれば、この時点でぐらつきはかなり少ないです。
大顎は開き気味で各脚と触角がきちんと出ているようにします。

キチンと座っていることを確認して、前胸と上翅の間に
細い針(無頭00~1号)を打ち、固定します。
DSCN0063.jpg
打ったほうがぐらつきが少なくなる気がします。
ここを3号以上の太い針でやっても良いのですが、細いほうが寸が詰まってカッコいい気がします。

次に上翅を左右にクロスで虫体を溝に押えるように針を打ち
頭部の口唇部付近、上翅先端(ケツ先)に針を打ちます。
DSCN0064.jpg
頭部と腹を少し持ち上げ気味にして、寸を詰めることをイメージします。
コレをしないと、頭と腹が下がっただらしない展足になりやすいです。
あと、この時に大顎を開かせて針を打ちます。
大顎をやり忘れて最後に持ってくと大顎を開かせたときに触角や前脚の展足に狂いが生じることがあります。

ここまでいけば、かなり安定してますので好きに脚と触角を展足するだけ。
DSCN0066.jpg
最近の自分の展足は脚をあまり主張させませんね。
むし社の藤田さんの展足が好みですが、実際に作っている標本は
それよりずっとおとなしい展足をしてます。

触角の展足です。
DSCN0068.jpg
片側につき5本使ってます。
4本で済むこともあれば、7本も使ってしまうこともあります。
〆た際の個体差が多いので、ここだけは完全に決まった型ができません。

完成です。
DSCN0072.jpg
左右対象を心がけてますが、まだまだですね。
撮影用なので気合は少し入ってますが、大型の♂のほうがやりやすいかも。


よく跗節がムズイと聞きますが、跗節の扱い方は案外すぐに慣れます。
小さい虫でやればより早いです(ルリ系で鍛えれば、コクワクラスなら自由自在レベル)
それより難しいのは触角。
片方きれいに決めるのはいけますが、両方を左右対称にきれいに決めるのは難しい。
これも数こなして鍛えるしかないですね……

あと、うちでは基本〆た虫は早めに展足してます。
タトゥに入れたら、再展足がメンドクサくて一生そのままでしょうので……
あと、除光液で〆たものより工業用・試薬品問わず酢エチで〆たほうが
死後の軟化が良く扱いやすい傾向が確かにあるような気がします。


話を少し変えますが、自分は他人にまず虫をくれません。
幾つか理由があって以前にも書いてますが今回さらにひとつ。
せっかくの大人の趣味なので標本にして残しておいたほうが
昆虫好きという感じがして実に趣深いと思っているのも一つの理由です。
どうも、「余った虫はいらないから飛ばす」というのは嫌いなんです。

他の方のブログで拝見したことですが、
ギネスオオクワだけでなく、その上のクワガタムシが好きなのか?
クワガタムシの上でいう昆虫が好きなのか?という問いかけが実に良いこと言ってる気がしてなりません。
ここ数年の人がギネスに挑戦できるやっかみもあるのかもな的な物言いなんですがね。
自分も並み居る2000年前後の「外国産ブームを堪能し一回りして引退していく」という
一時代をしぶとくも生き残ってしまい、気がつけば極太はオワコン、時代はギネス狙いの中で
どうにか意地を見せたいと思っていますが、どうなるかは……

勝手な妄想ですが、アンテ全盛時の奇人たちが今のギネスにバリバリで参戦したら
凄まじそうだなあとふと思っています(まあ、知識はあっても基本は金の人たちばっかだったけど)

我慢の時期 展足の秋

今年は自分もそれなりに補強したはずですが
他の方のブログを見てると良い補強をしてるなあと羨ましく思えてしまいます。

あと、2本目交換情報もやっぱ能勢YGスゲェな……としか言いようがない有様。
昨年もそうでしたが、この時期の能勢YGはギネス争奪戦2番手の久留米を
完全に置き去りにしてしまうほど体重乗っているようで。

この時期は久留米ブリーダーは我慢の時期いう感じですね。


DSCN0058.jpg

さて、ここ数日コツコツ展足してます。
やっと40頭というとこですが、まだまだですね。

うちでは国産は最大サイズで計ってますが、外国産は厳しめに計ってますので
標本にすると大抵、生体時測定よりコンマ数ミリ大きい数値になります。
その為、カスカス70のカミジョウが71になったり、74ほどのクルビssp.が75越えてたり……

まあ、展足していて楽しい虫はクルビssp.の♂。
クルビ系は顎開くとカッコいいので基本楽しいです。
クルビssp.は顎を大きく開いて通常通りに触角を処理すると大顎に干渉する為、
キクロみたいに第1節を下げて、第2節のところは直角に処理しています。
ただ、普通に展足すれば別に干渉しません。
大顎をカッと開くともの凄いカッコよさなのでつい作ってるだけです。


さて、とりあえずはクルビssp.とカミジョウの大軍勢はほぼ終わらせたので
次はインドグランとミンパリ。
ブリードルームに成虫を積んだパレットが15枚以上ありますが
7枚くらいまでは減らしたいですね……

しかし、志賀有頭3~6号針がいよいよ欠乏してきました。
3000本くらいあるはずなのでもう何頭か展足できると思いたいですが……

ルリ系の展足について

ルリ系の採集、標本をやり始めてから長い間、話題にしたかったことがあった。
今回はようやく書くことができそうだ。

では、書きたかったことだが、ルリ系の展足についてである。
今まで、何度もトライできる内容であったがついつい画像を撮らずに
展足してしまっていただけに、触れなかった話題であるが
今回ようやく画像を撮ったので堂々とネタにする訳である。

さて、早速本題へ。
今回は、自己流展足法である。
といっても、いまだ完成形ともいえず発展途上の域にある。
その中でも現状、試行錯誤をして最適と言える手段を公開する。
何か秘伝があるのかというとそういう訳でもなく、ヒトの猿マネばかりであるが
成果優先の為にもキレイ事ばかりは追い求めない所存である。

では、まず準備だが、道具として拘ってほしいのはピンセットと針。
私は高価ではあるが、むし社で購入できる先端極細ピンセットを使用している。
DSCN0186

針についてはシガ針無頭00号を使用している。
相手は往々の虫屋ならまだしも駆け出し虫屋にはまだまだ難儀な1cmちょいのルリ系である。
3号とか4号の有頭針を使うのは舐めプレイも良いところか。余程の達人である。


では、実際の展足にうつる。
今回は先日5月14日に山梨県笛吹市芦川町上芦川釈迦ヶ岳登山道中にて採集した
ホソツヤルリを展足しました。
DSCN0188


まずは虫体を確実にマウントする。
やり方としては、定石通りに上翅を上側から展足板に押しつけるように2本をクロスで打つ。
次に頭楯と上翅会合線先の2か所に針を打ち、寸の詰め具合を調整する。
DSCN0189


大型種であれば、前胸と上翅の間に針を打って寸の詰め具合の調整もできるが
ルリほどの小型種では00号でも間延びしてかっこ悪くなる。

なお、針を打つ前に、BE-KUWAの展足法に載ってる展足板の溝掘りは
ルリ系においても有効手段であり、今回も体長にあわせてカッターで溝を掘っている。


マウントを取ったら、虫体の軸のぶれの影響の大きい部位から展足を開始する。
大顎が一番ぶれの影響が大きい為、まずは大顎を仕上げる。
閉じた状態から開かせるのは大変なので、
マウント前に大顎をピンセットと針でなるべく開かせた方が堅い。

大顎の次は、前脚腿節、中脚腿節、後ろ脚腿節の順番で針を打つ。
脛節はぶれの影響においては腿節ほど大きくないので2の次にする。
各腿節の決め具合がポイントのひとつでこれにズレがあるととり返すのはほぼ無理。

腿節を決めたら、前脚から脛節と?節を決める。
この際に触角も同時に決める。
簡単に書いて見せるが、頭部付近は嫌でも多くの針を打つことになる為
もっとも神経を使う困難な作業である。
オマケに触角は調整が難しい上、故障率が高く、下手にピンセットでつまむと壊れる。

触角は1節から2節は直角になるようにとか心掛けますが
今の技術では左右対称に決めるようにやるので精一杯。

前脚と触角を決めたら、中脚、後ろ足を決めていく。
中脚はそうでもないが、後ろ脚は案外、腿節がずれていることが多く
やり直すことがしばしば……


展足仕上がった画像がこれである。
DSCN0190



まだまだ、各所各所に粗はあるがちょっとずつマシにはなってるはずである。
こればっかりは数をこなして腕を上げるしかないと思っている。

ちなみにルリ系でこのくらいやれるようになると
コクワ♂あたりの展足はだいぶ簡単に思えてくるようになる。
(画像は島田市向島町大井川沿いにて5月13日に採集したコクワガタ)
DSCN0191


今後も、腕を上げたなと思ったときにルリ系の展足については更新していきたいと思う。

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プロフィール

庚午 虫蔵

Author:庚午 虫蔵
久留米専。
自称
「最後のクワガタ狂世代」
の足掻きです。

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