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菌糸のわりかしマジメな雑談

菌糸を伸ばすには必要な項目が温度と培地の養分と水分と湿度。
菌の回し易さ、分解しやすさに培地の状態や粒度、添加剤の多寡。
子実体を出すには培地が菌に醸されていることと、さらに光。
さらに酸素が必要となり、分解によって発生する炭酸ガスは不要。

今回はこのことを踏まえたうえでのクワガタの話。

交換後2ヶ月~経ったボトル(ビン)が暴れた際、交換直後の様に菌が回らない。
その通りだと思います。
菌の状態、培地の養分と水分量、添加剤の寿命を考えれば、この上なく菌には厳しい環境のはずです。
そもそも、オオクワ用の培地の仕込み水分量は少ないことで有名。
キノコ菌が生育する為に炭素源、窒素源を得る為には加水分解でそれぞれを取り込む必要があります。
加水分解は、ビンを結露させるとか、培地がベチャ付くとかそういうイメージで
水を排出する分解と思わせる記述がありますが
逆で水を加えることで起こる分解反応のはずです。
容器の表面部分に乾燥をもたらす原因(風の当て方とか)が無ければ
ビン側面に水滴が出る要素は減るはずです。

このことから仕込み水をいかに上手に使うかが既成ボトルのカギではと。
外部に水分を逃すのはもってのほか。
培地の水分を蒸発させることすら嫌です。

去年の話なので、過去事例で良いと思うが
あるメーカーの菌糸で突如、ガス欠を起こしたかのように菌が死滅したということあった。
話を伺ってみたが、当時は明確な答えが出ず。
キノコ屋さんの回答ならば、殺菌不良や接種以降の害菌によるものと疑う状態になっていただろうと思われる。
培地は基本的に粒子が荒くなるほど殺菌時間がかかるとされる。
ガス欠の様に突如一気の汚染されるケースは培地の急激な状態変化も考えられる。
いわば菌の死滅である。
温度管理できるブリーダーなら温度を外すことはまず無く、湿度も時期的におおむね大丈夫だと思われる。
ブリーダーサイドに要因が無かったとは言い切れないが
昔の栽培から派生した菌床では見られない、現代型のオオクワ用菌床ならではの事象と感じた。


ここまでは難しい話。
僕は答えが出ず、来年答えを出したいところ。

ここからは何となく思うこと。
オオクワガタはやはり、高栄養な培地が急激に分解される状態で急激な成長ができるのではないかと。
よく、あの銘柄は他の銘柄に比べ最初から居食いで大きくなるという話を聞く。
生オガ・高添加の培地を急激な分解を利用して、1本目から大きく育てるというのは説明がつく。
能勢YGに比べ久留米はよく後伸びと言われるが
事実、昨年の手応えがあっても1本目で36g止まりだったのは
幼虫が成長するための分解の始めが遅いうえにケツが早かったとか原因かもしれない。
このあたりが分かれば40gは夢でないように思います。



今回は、自信が無い部分での記事。
分かっていることだけでブリードし続ければ
知ってる結果に菌糸屋さんの仕事ぶりの誤差範囲が出続けるだけです。
沢山やったうえで、こうすれば上手くいく気がするはアテになると思います。

今年、40gを1本目で出したいですね。
出ないにしても、その次に1本目で大きくするための手応えが欲しいです。
理想は1本目から大きくです。
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キノコ対策の実験報告

先日のキノコ発生対策の実験ですが、早々に結果が出てしまいました。
まあ、早々に結果が出たってことは失敗です。

失敗した実験だから詳細を書きます。
今回の実験は、11月に詰めた状態が極めて良い菌糸ボトルを用いました。
菌床の銘柄ははLEVIN-Gで袋出し・粉砕後、無添加でボトル詰め。
12月に使用可能になった後、使うことなく残った2本を実験に回しました。

実験内容は、ボトル中心に幼虫投入用の穴を穿って
埋め戻し、タイペスト紙で蓋をして経過観察するという簡単なもの。
生体を用いない疑似交換による実験である。
なお、実験開始3日目にブリードルームの温度を19℃狙いから18℃狙いへ変更している。

子実体の発生が見られたのは、温度変更をした3日目。
そこからは日増しに発生・成長が見られ、現在に至る。
本日、もう1本も子実体発生の兆しが見られたことで今回の実験の失敗を確認することとした。

DSCN002312.jpg
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失敗原因は、穿って埋め戻すという行為が子実体の発生操作となったものだと思われる。
また、実験前まで非常に安定していたボトルであったが
実験に当たってフタを開けたという行為も子実体発生のひとつの原因と思われる。

今回の実験から、温度管理の見直しが白紙に戻ったが
実験中に実験ボトルと幼虫が入ったオアシス群から子実体発生のある傾向を観察することができた。

その傾向をもとに現在、対策を講じて再び経過観察をとる構えとなっている。
今度の対策はブリードルームの改善ともいえるものである。



さて、昨日は暖かかったようですね。
ブリードルームの温度もいつもより誤差が出ました。
冷房が効き過ぎたようです。
できれば、寒い日が続いてくれたほうが安定するので良いのです。
まあ、なかなかエアコンがいうこと聞かない、春の三寒四温が一番厄介なのですが……

キノコ対策の実験

早急に手を打つべくキノコ対策の実験を開始しました。

といってもやることは単純で、これで光が見えれば
2013年のブリード個体を用いて冒険してみます。


今回の実験は生体を用いた実験ではないのですが、ある方はコレに似た方法で
菌糸ボトルの子実体発生を防止しながら保存する記事を書いてますね。
その応用で、幼虫の菌糸交換のタイミングを調整すればという仮定です。

ちょうど、温度を下げるのがひとつのタイミングとみてます。


以前も書きましたが、2013年のブリードはこれまでのブリードサイクルを見直し
1本目投入を1ヶ月遅らせて6月下旬近くを狙います。
これは、羽化を逆算して3本目の負担が大きいと感じる為の策です。

今やってる実験の成果が出れば、ブリードサイクルの見直しに加え
温度管理の一部見直しも加わります。
成功すれば、菌糸の特性把握と
よりブリーダー都合の成長サイクルに持ってこれると想定してます。

この2つはどうしても欲しいテクニックですが
聞いてマネするのは気にいらないので、ギブアップするまでは試してみます。


使っている菌糸のレビュー その1

マツノインセクトさんの菌糸銘柄、オアシスの面白さ。

「マツノインセクト オアシス」で検索かけると様々なレビューがみることができます。
生オガでなくホダ木使用とかタンパクは恐らく低めとか持ちが良いとか大体似たり寄ったりの
レビューだらけですが、ここまでレビューされてるのにもかかわらず
そのノウハウが見えてこない菌糸はやはり面白いですね。

この菌糸の面白さは幾つかあります。

・ホダ木使用だと持ちは悪い傾向のはずだが?
・粒子も近年主流の持ちと菌を廻すの優先の極端な粗めの混合ではない。
・菌糸の張りや菌勢は強そうだが子実体は発生しずらい。

かつて、月夜野きのこ園さんの「380菌床」というホダ木菌床がありましたが
水分量65%、添加物タップリという現在ではあり得ない配合でした。
ヒラタで好成績という話でしたが、このレシピは持ちが悪いです。

まあ、380菌床は極端ですが、この時代はホダ木メインやホダ木ブレンドが結構ありました。
ただ水分量が今みたいに低くなくて、オマケに添加も悪い意味で強烈だったとか。
ただ、パリーオオクワとかクルビはその時代のほうが好成績という話です。
オオクワはまだ30が怖い時代で、水太りとか言われてたかな?


それに対してオアシスは
・水分少なめ、添加は恐らく低めで対応?
・近年のポリやクリアボトルの超堅詰めには勝てないが、当時の水準と比べたら明らかに堅詰め。
・量産向きな二次発菌でなく一次発菌

で対応しているように見えます。
レシピに関しては自分で作る場合は大いに考える必要がありますが
作る方向ではないので割愛します。

詰めに関してはポリのオアシスはほとんど隙間なく詰まってますが
ビンのオアシスは大体、届いたときにビンと菌糸の間に隙間があります。
この隙間に水がたまって黄~黄褐色にいわゆる劣化していく訳で
それこそ昔の菌糸ならベチャってきたり嫌な臭いをはなったりするのですが
オアシスはそんなことにはなりません。
水がたまって黄色化しますが、そこで止まります。

発菌についてはレシピ同様、あの菌勢を見ると面白い点です。
レシピや仕込みは素材の状態やその年のコンセプトもあるようで、ちょくちょく変えてるようですが
菌勢はかなり安定している印象です。
他社で見受けられる「こんなんだっけかぁ?」というのは今のところないです。


さて、この菌糸に幼虫を投入してみた際の面白い特徴は
・食いが良い(食痕がよく出て、食い上げが早い)
・1本目は食い上げの割に大型化せず、2本目で伸びる
・暴れにくい傾向
が挙がると思います。

食べやすいのだろうと言われてますね。
うちでは1本目(850ml)を食いあげて、2本目(1500ml)を食いあげる個体もいます。
3本目もガツガツいくんじゃないかと不安視するくらいです。


さて、この菌糸は非常に面白い菌糸でありますが
・製造主がご高齢。
・代替品相当が競合他社にない。
・高価な部類。
・予約が確実だが、ブリードを逆算した配達時期・2本目発注の♂♀比が難しい。
という点があります。

この菌糸の製造が止まったらキツイというブリーダーも多いでしょう。
うちも現在、久留米主体で事実上オアシス依存のブリード事情なので
ここが泣き所です。
どうか、これからも健康で楽しく、菌糸とオオクワをやってください。

これほど有名になるとパクリがでそうですが
代替品というか近いものですらまったく聞かないですね。
それくらい、独自性が高いうえによく隠蔽されてるのでしょう。流石です。

価格は超タケェ訳ではないです。
廉価菌糸(月夜野とかきのこの山)に比べれば凄い高い、
G-potや菌太郎に比べたら高いなあという感じですが
その辺の菌糸が流行るくらいの各ショップ自慢の菌糸に比べたら遜色ないか安価なレベルです。
むしろ、当時の「客先で79UP作出!」とか「30gはよく出る」とか言った謳い文句に比べて
現在のオアシスの信用性を考慮するとコストパフォーマンスは良いんじゃないかと考えさせられます。

調達の問題点は、慣れですね。
ただ、2本目発注時はまだ1本目の♂♀が大まかですら判断できないので
4:6くらいとかの比率で♂ビンと♀ビンの比率を調整します。
今年はかなり酷い♂の偏りだったので追加発注をかけましたが
たまたまタイミングが良かったのか、はたまた気を利かしてもらったか追加がききました。


面白い菌糸なのでもっと書いてみたいなあと思っていますが
少し疲れてしまったのでこのくらいにします。

来年は1本目奮発してMビンを使う予定ですが
それでもオアシス全部をMビンにはできそうにありませんね。
MSも混合になるでしょう。
うちはいわゆるクワガタ貯金を種親補強用と菌糸用でやってますが
菌糸用の大半がオアシス分だったりしますね。



菌糸の交換タイミング

本日あたりからボチボチ始めようと考えていた2本目交換ですが
もうちょっとだけ引っ張ろうかと思います。

オアシスMSの食いあげは早いことを想定して75日程度で
交換できるようにLビンを用意しましたが
75日しか引っ張れないということが、やはり少し……

個人的にはまる90日、ほぼ3ヶ月間持たすのが理想です。
ただこれはあくまで目安。
餌によっても温度によっても引っ張れる日数が左右されることが解ってきました。
現に今年は菌糸銘柄によって食い上げの差が如実に表れています。
また昨年に比べ温度も高めにしているので、その分の差も感じられます。

また血統によるものもあるらしく、食い上げの早いもの、
大器晩成するものとあるようですがうちは久留米しかやらないのでわかりません。


また、1本目を引っ張りたい理由は
2本目の投入期間を念頭に入れなければならないことがあります。
2本目は投入期間まる4ヶ月間だと長いような気がします。

そもそも6月前後に1本目投入して翌年6~7月に羽化させる場合の
使用菌糸本数を逆算していかにタイミングよく交換するかが課題になります。
理想は羽化まで3本で、最後のビンで持たせることはもちろんのことですが
1本目の期間が短いと、きつくなってしまいます。
6月前に1本目70日そこいらですと2本目が持たないということで
物凄い中途半端な4本目が視野に入ってしまいます。
マツノさんのラベルを見ると2本目2ヶ月ちょっとで3本目3ヶ月程度で年明け後4本目交換
というパターンがありますがこのパターンをとらざるを得ません。

今年の予定サイクルは2本目交換お盆で3本目が年末前。
これだと2本目まる4ヶ月で恐らくいっぱいいっぱい。
お盆あたりに交換を持ってくとしたら1本目は83~5日あたりまで引っ張っるということに。


1本目は食いあげてますので、昨年みたいに10gそこいらの幼虫を
♂♀判断する必要はないはずです。
理想は27~8g以上。




冬温度後の子実体発生状況

ブリードルームを冬温度へ降温して早1ヶ月ちょい。
残り冬期間もあと10日ばかり。
3月からは昇温して一気に蛹化へ持って行きます。


ところで冬温度にしてから目立っていた「子実体の発生」。
ここ10日前くらいから、少しずつ抑制傾向になりますが
今冬の傾向はまあまあつかめてきました。

傾向と言っても、どの菌糸又はどの容器で生えやすいか程度ですが……

現在、冬温度中に使用している菌糸銘柄は
オアシスL、HS1400、手詰めのLEVIN-G1800と2300の4種類がメイン(♂で)
交換後2~3ヶ月経過していますが
側面から見る限りはいずれのボトルも予想以上に劣化しています。
HS1400は唯一、良さそうな状態を維持。

子実体の発生が特にひどかったのはLEVIN-Gを2300ccのクリアボトルに手詰めしたもの。
このボトルに限っては子実体の発生頻度・成長がずば抜けており、
抜いても抜いても発生しましたし、気を抜くとタイペストシールを突き抜けて
最悪カサを開くほど成長してしまいました。
酸欠でボトル上部に食いあがった個体は見受けられませんでしたが
子実体の除去頻度の多さは課題点。
あまりにも発生するので、タイぺストシールを新しいものに交換しましたが
あまり意味は無かったかなあ……


あとは、ちょっと不安なのがオアシスL。
フタは直径5mm程度の穴3つのネジ止めでタイペストシートをはさみこんでいる為、
フタを外さなければ子実体の発生状況は分からない構造。
幼虫のストレス削減の為、ビンには極力触らないを心掛けているので
子実体の発生状況はあまり分かっていませんが
暴れていたり、上部まで上がっていないので、まあ大丈夫でしょう。
怖いのは昇温してからですね。


蛹室作製を確認する予定が4月中旬以降の予定ですが
あと多めに見積もって3ヶ月程度は暴れないボトルとしての性能を
引き出せるか心配です。


ギネス菌糸争奪戦

BE-KUWAで今ギネスオオクワを輩出し、ギネス菌糸となった
HS菌糸の販売形式が変更して最初の販売が始まりました。

早くもカートが減りだしてますね。
こんなに減るのはフィギュア予約みたいな「高度な情報戦(笑)」状態。
かくいう自分もスタンバっており、カートが表示されたら
必要数だけポチっとな。

思っていたよりは在庫はありましたが、それでもモンスター級のブリーダーが
買ったら即完でしょう。


今年分はなんとか確保するとして、来年はどうしようか……
今年は30本使って♂は8頭。
本音はもっと多くの♂に使いたいので、もっとたくさん使いたいところですが
これでは難しいですね。

菌糸詰め 2011年秋の状況

本日、菌糸詰めを実施。

菌床ブロックはEXCEED CRAFTのLEVIN-Gを10個。
9月以降品薄が続いており前回ロットを詰めた際は乾燥部分の分離が激しく
案の定、その旨についての内容のメールが来ました。

その後に届いた今回のブロックは前回と違って全体に
水分が行き渡っており最良な状態。
正直、今まで買ってきた分全て乾燥した部位が必ずあり
その中でも前回分が一番アレでしたが、今回のは見違えるほどの状態でした。


さて、10ブロックを詰めて結果は
2300ccボトルが6本、1800ccのボトルは7本とれました。
最近はブロックあたりの収率が分かってきてはいます。
作業の要領も少しずつ分かってきて10ブロック詰めの疲労感もマシに。
今日の感じではいっぺんにやって飽きるのは
皮膜カット、崩しにおいては8ブロックあたりで
詰めは1本詰めたら、その後は惰性。
ラジオをBGMに黙々と作業して完了。

とりあえず、発菌待ちですね。
2週間程度で使えるようになるはずですが、当の交換対象の
久留米1番のワインセラー組はもう少し先でも良いかなという感じ。
菌糸はブロックは発注タイミング、既製品は用意する本数が難しい……


次回の詰めは11月中旬くらいかな。
今の菌糸の品薄状態を考えると、ブロックにしても既製品にしても
先を見た発注をしないと……

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プロフィール

庚午 虫蔵

Author:庚午 虫蔵
久留米専。
自称
「最後のクワガタ狂世代」
の足掻きです。

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